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■         2010/11/31       第38号

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 仕事の見える化

 仕事の見える化は、仕事の仕組みと流れを誰にでもわかるようにするために実施します。

 仕事に関する多様な情報を広く社員に公開し、全体の仕組みを理解させながら、全体最適につながる創意工夫を促すねらいがあります。

 各部署で求める必要能力の見える化、

 工程の見える化、

 さらに各部署が何かを問題にし、どう解決しようとしているかの見える化など

広範囲におよびます。

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$      職務調査の具体的内容と手順
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 まず、委員会が仕事を洗い出します。

 仕事の洗い出し作業は、職種ごとに作成メンバーが中心となって、「その職種の主な仕事」を書き出します。

「仕事洗い出し表」のような様式を活用し、その職種で行っている仕事を書き出させます。

「毎日行っている仕事」を、始業時間から就業時間まで時系列で思い出してもらいます。

 次に、週・月・半年・年単位で発生する仕事を箇条書きで書いていきます。

 仕事の洗い出し作業を行う場合、次の点に留意して進めることが大切です。

 ・日常職場で使用している仕事の名称を使用すること

 ・具体的仕事はあまり細かくないこと

 ・実在の社員の仕事をすべて書き出すこと

 ・人員の関係上などの理由で現在は行っていないが、本来やるべきと思われる仕 事も加えること

 仕事の種類の洗い出しが終了したら、同種類の仕事をまとめる作業に入ります。

 仕事の種類洗い出し表を見て、同種類の仕事をくくっていきます。

 同種類の仕事のまとめ作業が終了したら、それぞれにその仕事全体を表現する名称をつけていきます。

 職種ごとに実際の職場の一人ひとりにあてはめてみて、各人が担当している仕事のすべてが入っているか見直しをしてみます(全員に自分の担当の仕事が入っているかを見てもらうのもいいと思います)。

 本来やるべき仕事であるが、現在は人員の関係などで行っていない仕事があれば、それも加えます。

 課業には、必要な知識、技能の高さ(低さ)、責任の広がりの違いなどによって、難易度が異なります。

 難易度評価の基準はおおむね次のとおりとします。

 A 単純定型業務
 B 熟練定型業務
 C 判断・指導業務
 D 企画・管理業務

 習熟度の深まりの指定については、通常では

(援)できる、
(独>独力でできる、
(完)完全にできる

の3区分で指定します。

 課業ごとの難易度評価、習熟の深まりの指定が終わったら、次にそれぞれの課業を職種ごとに等級別に整理し、とりまとめて課業一覧表とします。

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$      何を「見える化」して何をねらうか
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「見える化」の最大の目的は、人に行動を開始させ、その行動によって何かを変え
て良くすることです。

 1つ目のねらいは予防管理です。

 予防管理とは、問題が発生する前に、または目標未達が確定する前にその事実を予知して予防的処置を行うことです。

 予防的処理を行うためには異常を「見える化」しなければなりません。

 正常であれば管理は必要ありません。

 異常が浮かび上がるようにして、その異常をいち早く検知し手を打つことが重要です。

 予防管理ができれば、仕事のQ(クオリティー)、C(コスト)、D(デリバリー)の維持・向上を図ることができ、目標達成にも近づきます。

 2つ目のねらいは知恵の共有です。

 人が仕事を行う中で様々な知恵が生まれています。

 個人の知恵の多くは頭の中で暗黙知となっていて、そのままでは人に伝えることができません。

 お互いに人に伝え、知恵を共有するためには、暗黙知となっている知恵を「見える化」して形式知化することが必要です。

 また、人は刺激を与えられることで知恵を生み出すことがよくあります。

 知恵と知恵がつながることで、さらなる知恵を生み出し、効果が数倍になることもあります。

 3つ目のねらいは組織づくりです。

 会社内には、組織という名前でありながら、実際には、組織ではない個の集団がよく見られます。

「組織」とは、共通の目的・方針のもと、知恵を共有し個が連携して相乗行動をとる集団です。

 一方、「個の集団」とは、1人ひとりが異なる目的・方針を持ち、個々バラバラに行動している集団です。

 競争力を高めるためには、組織の目的・方針を「見える化」し、個の集団から脱却して真の組織になることが必要です。

 4つ目のねらいはさらなる成長です。

 成長するためには、自分たちが成長しているのかどうかを客観的に測定し、成長のために実施している施策が有効か否かを評価し、有効なものは継続し、無効なものはやめて有効な施策に置き換える必要があります。

 事務・営業・開発・サービスのようなオフィス業務は、定型作業の繰り返しではなく、仕事のアウトプットも様々であることから、仕事の品質や生産性を測定することは極めて難しいとされてきました。

 職場間や個人間の品質や生産性の高さを比較して測定することは困難ですが、同一職場、同一個人において、ある基点からの品質や生産性の高さの変化を測定することはできます。

 成長を数値で見ながら取り組むことで、的を射た活動になり、職場としてさらなる成長を目指すことができます。

 5つ目のねらいは自律した職場にすることです。

 自律とは自ら考え自ら行動することです。

 目的に向かって自分たちのやるべきことを明確にし、行動を開始し、目的に対する自らの行動の適切性を確認して調整していきます。

 自ら考え自ら行動する職場になるためには、自分たちの考えていること、行動していることの今現在の状態を客観的に見ることができなければなりません。

 目的に対する自分たちの活動の今の状態を見て、自分たち自身で活動を管理し、監視し、自ら見直し、プライドと責任を持って取り組むことが重要です。

 6つ目のねらいは仕事の価値向上です。

 価値の高い仕事は顧客の価値を高めることのできる仕事であり、価値を高めるためには価値そのものが何であるのかがわからなければなりません。

 昔は価値があった仕事でも、顧客や市場のニーズが変わり、今では価値のないものになっているかもしれません。

 価値は日々変化していきますので、その変化を捉えていくことが価値を認識し続けることです。

 今、行っている仕事について、顧客に与える価値が低下していないかを検討し、低いものはやめてみたり置き換えたりして、その影響から価値の大小を探っていきます。

 ムダの「見える化」を行い、そこから、価値に対する認識を深め、それを高めることを追求していきます。

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 では、また、次回お会いしましょう!!

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