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 いま旬なあの企業、伸び盛りの注目企業の、経営実態と経営情報戦略。

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$     いま旬なあの企業、伸び盛りの注目企業
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 今日は、住野工業株式会社(英文社名:SUMINO INDUSTRY CO.,LTD) です。

 2003年12月期決算で、ここ10年にない成果。

 営業利益は4倍に!!

 現場改善も大事だが、仕組みを変える効果は大きい。

 量産にTOCを適用した。

◆主要製品

 1.自動車用小物プレス、溶接、塗装部品
 2.オートマチックトランスミッションオイルストレーナ
 3.ドアーヒンジレインフォースメント
 4.ボンネットロックステー、スプリングシートアッパー
 5.各種ブランケット&レインフォースメント類、他多数

■経営のポイント

 TOCとは、問題点を部分的に解決するのではなく、全体最適の視点から、その問題点(ボトルネック)を解決していく手法です。

 ちょうどビール瓶を思い浮かべていただきますと、胴は太いのに首の部分が細くなっています。

 この首の部分があるために、全体の仕事の流れが滞ってしまうのです。流れをスムーズにしなければなりません。

 小説「ザ・ゴール」日本語訳出版で紹介されたTOC(制約条件の理論)ですが、理論の前提には、計算通りには行かない現実の日常(統計的変動)に対し、仕事を個々に分けて考える従来の経営手法ではなく、一連の流れ(依存的事象)として経営全体をとらえ、その全体に最も影響を及ぼすポイント「ボトルネック」に絞って経営全体を管理する全体最適経営を提案します。

 *「ザ・ゴール」については、編集後記をご覧ください。

◆生産管理にTOCを導入

 「当社の工員は半数が人材派遣トヨタ流ジャスト・イン・タイム(JIT)方式のように全員参加型の改善を徹底するには、人の入れ替わりが激しすぎる。TOCのように重点となるプロセスを管理する考え方のほうが当社に向いていると思った。経営陣や生産現場のリーダーなどキーバーソンを集めてTOCを理解するワークショップを開きたい、と住野社長に直訴しました」と中川マネージャー。

 「中川マネージャーの勧めで本を読んだときは、ロジカルで整然としたいかにもアメリカ的な方法で、うまくいくかもしれないと思った。思い切って、まず経理や総務、生産管理、プレスなどのリーダーを交えた講習会を開いた」と住野社長。

◆制約工程にペースをあわせる

 まず同社の工場を流れる部品をルート別に20数種類のグループに分けました。例えば「プレス、研磨、組み立て、塗装」あるいは「プレス、シム加工(精密加工)」などです。

 そしてそれぞれの制約工程を特定しました。その結果、高宮工場内ではあるプレス工程が、そして本社工場内ではルート別に冷装工程、シム加工と呼ばれる精密加工工程、バレル研磨工程の3つのポイントが、「制約工程」として設定されました。

 ボトルネックが生産スケジュールを決定します。前後の工程におけるバッファーの大きさ(仕掛り在庫)をうまく設定し、基準量を守らせれば生産ペースをボトルネック工程に合わせることができます。

 制約工程の上流の工程は、制約工程の直前に置く「バッファー」と呼ばれる仕掛かり在庫置き場の状況を見て生産ペースを調節します。

 バッファーに置く仕掛かり在庫の基準量を事前に定めておき、あふれそうになれば、上流の工程は生産スピードを落とし、少なくなりすぎれば、生産ペースを上げます。

◆情報技術を活用する

 その後、さらに部品のグループ分けを細かくし、その生産計画を30数種のグループごとに分けてIT(情報技術)ツールで管理しています。

 早朝にマツダなど取引先から3目先の確定注文情報がオンラインで流れてくると、まず従来からあるMRP(資材所要量計画)ツールで資材投入量を決めます。

 このデータをスケジューラーという計画ツールに移して、ボトルネック工程がフルに稼働できるよう考慮した投入順序などを決めます。

◆増産余力などが見える

 スケジュューラーの開発を終え、まず本社の工場では昨年9月にを本格実施し始めました。すると、管理すべきポイントが明確になり、製造現場が勝手な見込みで生産ペースを判断しなくて済むようになったそうです。

 「制約工程の状況さえ見ていれば、在庫やどの程度増産の余力があるかなど大体わかるようになったから、納期の回答もしやすくなったそうです。

◆保有技術

 1.金属・機械関連技術>プロセス技術>プレス
  抜き加工精度±0.02をクリアーします。絞り加工精度±0.02をクリアーします。
 2.金属・機械関連技術>プロセス技術>プレス
  比較的小ロット生産をロボットラインで、ローコスト生産が可能です。
 3.金属・機械関連技術>プロセス技術>溶接接合加工>アーク溶接
  内製自動化装置で、信頼性の高い、ローコスト生産が可能です。
 4.金属・機械関連技術>プロセス技術>溶接接合加工>電気溶接
  内製自動化装置で、高品質、ローコスト生産が可能です。又マルチ技術も有しています。
 5.金属・機械関連技術>プロセス技術>溶接接合加工>小組立
  内製自動チェッカー等を駆使して、信頼性の高い、ローコスト小組立技術を有します。
 6.金属・機械関連技術>プロセス技術>塗装>電着塗装
  カチオン電着、ブラックデッピング塗装装置を有し、720Hの耐蝕性をカバーします。

◆知的所有権

 実用新案 マガジンによる板材の搬送設備
 実用新案 ロボット用イコライザー装置
 実用新案 プレス加工材集積方法及び装置
 実用新案 歯形部品の打ち抜き方法及び装置
 特許 中子の製造方法とその中子及び成形金型
 実用新案 ベッド背上げ装置、防犯装置

■会社データ:

 住野工業株式会社

 所在地 733-0833 広島県広島市西区商工センター8丁目1番62号

 TEL 082-278-0010
 FAX 082-277-9369

 会社創立  明治39年2月(1906年2月)
 社  長   住野 重樹
 資本金    4,500万円
 工場面積  本社工場 敷地 8,177平米 建屋4,740平米
       第2工場   敷地  3,300平米建屋 1,383平米
       高宮工場   敷地 15,776平米建屋 6,700平米
 従業員数   本社工場 115名
       第2工場        5名
       高宮工場        40名
       合  計       160名
 平均年齢              38才

 URL  http://www.sumino.co.jp
 E-Mail info-sum@sumino.co.jp

 [平成13年3月1日現在]
 売上高     50億円   (平成11年度)
 主要生産品目「自動車用小物プレス溶接部品」
 納入部品点数 約2,500点
        スプリングシートアッパー
        ATミッションオイルストレーナー
        FFミッションリヤーカバー
        ヒンジレインフォースメント
        シートベルトアンカータワー
        バンパースティ  etc
◆子会社

 (株)ミドリ
 733-0833
 広島市西区商工センター8丁目1-62
 業務内容   当社100%出資の子会社です。産業ロボットを使ってプ レス・組立・溶接までをこなし多岐にわたる製品を製造しています。

◆海外事業

 住野工業は、自動車メーカーの"世界最適調達方針"に対応した海外ビジネスを展開いたします。

1.Visteon Corporationとのビジネス
 PPAP 認定: 1998年 6月
 取引開始:  1999年 4月
 対象品目:  4T&6T Coil & Bracket Assy
 出荷実績:  145,000 sets (2001年5月末現在)
 納品・品質成績: 遅延0、クレーム0を継続中
 新たな取引: Security Bracket, Console Bracket

2.Midway Products Group とのビジネス
 PPAP 認定: 1999年 10月
 取引開始:  1999年 11月
 対象品目:  Heater Blower and Bracket Assy
 出荷実績:  350,000個 ( 2001年3月末)
 納品・品質成績: 遅延0、クレーム0を継続中

3.TSA(Thai Summit Auto Parts Ind.)とのビジネス
 SUMINO-TSA MODEL LINE
 TSAと技術支援契約締結: 1998年 7月
 Sumino-TSA モデルライン から AATへの納品開始: 1999年 8月

4.その他のビジネス
 Continental Teves Corporation Asia/Pacific へ納品開始:2000年
10月
対象品目: Vacuum Hose Bracket
 
 QS9000検証の後、GMから購買対象サプライヤーとして承認される:
 2001年3月

■企業理念:

 1960年、一枚のコハゼからスミノのモノづくりは始まりました。それまで職人の技を駆使してひとつひとつ丹念に作りあげていたものを、いかに安く、いかに大量に市場に送り込むかという課題に挑戦し始めたのです。

 そして、マツダの自動車部品製造に着手したのが、1960年のことです。コハゼの生産から培われた技とノウハウの蓄積により、私たちは独自の生産技術を確立していきました。ユーザーニーズを基本とした製品づくりを企業コンセプトとして揚げ、あらゆる方向から製品分析・検討を行ない、実現しています。なかでも金型の自主制作や無人ロボットラインの確立により、大幅なコスト低減を可能にしました。

 確かな品質を誇るスミノの製品。これを支えるものはコハゼ作りから学んだ技と心です。信頼という名のブランドは、 いつも人と技術の融合のもとにに冠されるものだと私たちは考えます。最新鋭のコンピューターシステムを導入し、 最先端をいく未来型ファクトリーを築きながらも、私たちは創業時からの技術に対する誠心誠意を忘れることはありません。

 創業から約1世紀、今スミノは開発型企業への発展を遂げようとしています。「ハートフル・テクノロジー」を フィロソフィーとして、私たちの優れた生産技術は新たな可能性へ向けてチャレンジを続けていきます。

社  是

1.和を尊び
2.誠意を尽し
3.創意工夫に務む

経 営 理 念

お客様第一主義
社員の福祉の充実
社業を通じ社会に貢献

品 質 方 針

お客様のニーズと信頼に応える
品質づくり 教 育 方 針
企業人としての使命を自覚し、
常に「和を尊び、誠意を尽くし、
創意工夫に務む」人材を育成する。

■会社沿革:

明治39年   創業。こはぜ製造を開始する
大正7〜昭和33年   発明特許十数件をうける。
昭和10年   住野工業(株)に改組(こはぜ、全国の40%を生産)
昭和15年   伸銅部門開設
昭和20年   原爆により灰燼に帰す
昭和22年   こはぜ部門復旧
昭和25年  伸銅部門復旧し、伸銅品の販売にのり出す
昭和29年  高松宮殿下、同妃殿下お揃いにて、当社をご視察される
昭和30年  衛生管理成績優良につき労働大臣賞をうける
昭和35年   東洋工業(株)(現在、マツダ株式会社)の協力工場となり自動車部品のプレス加工を開始
昭和41年   こはぜ完全自動機開発
昭和47年  広島県高田郡に高宮工場竣工、操業開始
昭和48年   東洋工業(株)協力工場表彰規程により優秀賞受賞
昭和51年   東洋工業(株)より、品質保証認定会社に指定される
昭和55年  高宮工場に、自動プレスラインを増設
昭和56年〜60年   東洋工業(株)、マツダ(株)格付評価制度による優秀賞を5年連続受賞
昭和57年   高宮工場に治型具工場を増設、金型内製比率の向上をはかる
昭和58年   300トントランスファープレス機を高宮に導入
昭和60年   横川本社工場を商工センターに本社工場並びに、第二工場を建設し移転
平成元年3月  資本金を1280万円から2000万円に増資する
平成元年9月  高宮工場に隣接して全室個室、冷暖房完備の独身寮完成
平成元年12月  高宮工場にテクニカルセンター開設
平成2年9月   500トントランスファープレス機を高宮に導入
平成2年11月   本社工場に塗装工場を増設
平成3年3月  資本金を2000万円から3000万円に増資する
平成4年7月  第2工場に開発技術センター開設
平成5年6月   廿日市 JR廿日市駅に隣接して全室個室・冷暖房完備の独身寮完成
平成6年5月   マツダ(株)より品質保証優良認定会社に指定される
平成7年12月  資本金を3000万円から4500万円に増資する
平成9年9月   高宮工場にSSP(スミノ サイジング プロセス)センター開設
平成10年1月  ISO9002−1994認証を取得
平成10年7月   タイサミット オートパーツ(TSA)と技術支援の提携を結ぶ
平成11年4月   フォードビステオンより自動車部品の委託を受け生産開始
平成1 2年8月   QS9000を取得

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$        経営と情報の戦略・戦術を考える
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 住野重樹 社長は1948年生まれで、1973年に慶應義塾大学管理工学科を卒業し、同年、祖父が創立した住野工業に入社しました。

 1989年に社長に就任し、マツダの有力部品メーカーとして西日本洋光会の幹事などを務めています。

 もともと明治時代には足袋(たぴ)の留め具であるるコハゼの量産を手掛けていました。最盛期には女性工員を200人抱え、全国の需要の4割程度を生産ていたそうです。

 真鍮で培った加工技術を生かして、1960年からはマツダの部品製造を始めました。バブル崩壊直前の1991年は売上高が101億円だったそうです。

 営業利益率では昨年が最高だったが、利益の絶対額はまだ当時のほうが上回っています。当面はまず売上高を連結で最低100億円に戻すことが課題です。

 そのためには生産の効率化が必要ですが、現場の改善活動ももちろん重要ですが、仕組みを適切に変えていくことの効果の大きさを、TOCの導入で痛感したそうです。

 TOCの評価指標は、

 スループット(T)=売上−資材費
          ≒企業システムが売上を通して貨幣を創出する比率
 
 純利益=スループット(T)−経常費用(OE)

 ROI={スループット(T)−経常費用(OE)}÷在庫(I)

 在庫≒企業システムが販売を意図するものを購入する際に投資する金額

 経常費用(OE)≒企業システムが在庫をスループットに変換するために支出する金額

です。

 中でもスループットは最も重要な概念で、売上から変動費の代表格である資材費を取り除いた利益を指す。また、通常スループットは製品単位で測定するのですが、合計したスループットは製品群、工場、事業部のスループットの合計値となります。

 さらに、時間当たりのスループットを測定し、これを最大化するために何をすればよいかを検討するところに特徴があります。

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$        新戦略と経営手腕、躍動の原動力
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 企業の目的(ゴール)は、現在から将来にわたって、儲け続けることです。

 そこに存在する制約条件には、

・物理制約− 生産設備、付帯設備、ユーティリティ、資材調達、人などの能力不足が目的達成を阻害している場合に生じる制約

・方針制約− 業績評価、ものの見方、慣習、価値観、方針、手順や分担組織などが目的達成を阻害している場合に生じる制約

・市場制約− 生産能力が市場の需要を上回っている場合に生じる制約があります。

 TOCで製造現場に用いられる手法で代表的なものはDBRです。これはドラム(Dram)、バッファー(Buffer)、ロープ(Rope)の頭文字をつなげたもので、ボトルネックの能力をドラムをたたくように明らかにして、材料投入工程にロープのようにつなぎコントロールします。その時、ボトルネック工程は能力一杯に稼働するように、その工程前にバッファーを必要な分を用意するという考え方です。

 DBRは「5つの重点化ステップ」の方法で、制約条件を見つけ、制約条件を徹底活用し、制約条件以外を制約条件に従わせ、その後、制約条件を強化し、惰性に注意しながら再び、新たな制約条件を見出して繰り返す方法で行います。

 5つの重点化ステップとは、

1) 制約条件を見つけ、確認するというステップ
2) システムにとり制約となる工程をどのように活用 (exploit) するかを決めるステップ
3) 制約プロセス以外のプロセスを制約プロセスに従属させるステップ
4) システムにとり制約となる工程のキャパシティを高める (elevate) というステップ
5) 1)から4)までのステップで、制約プロセスと認識されていたプロセスが制約でなくなったら、面倒がらずにステップ1)に戻るというステップ

です。

 TOCの導入により、

・スループット(売上−原材料費等の真の変動費)の増加
・ リードタイムの短縮
・ 品質向上/仕損じ減
・ 納期遵守度の向上
・ 在庫減
・ サイクルタイムの短縮
・ 督促の減少
・原材料の購入から現金になって企業に戻ってくる
・ サイクルの短縮による資金回転率の向上
・ 顧客からの信頼向上、顧客への納入ロットサイズが小さくなることによる顧客の在庫の減少

などの効果が実証されています。

 これらの効果を享受するのはもちろんですが、さらに、これからの時代をどう切り開いていくかが重要です。

 今後は、アルミやマグネシウムの合金の塑性加工で事業拡大の道を探る方針のようです。

 ”われわれは未来について、2つのことしか知らない。1つは、未来は知りえない。2つは、未来は、今日存在するものとも、今日予測するものとも違うということである。あらゆる企業が、未来において何かを起こすためのビジョンを絶対に必要とするわけではない。現在の事業を効率的なものにすることさえできない企業やマネジメントは多い。そのような企業でも、しばらくは存続しうる。特に大企業は、歴代のマネジメントや勇気や努力やビジョンのおかげで、長い間苦労しなくてもすむ。しかし、明日は必ず来る。そして、明日は今日とは違う。そのとき、今日最強の企業といえども、未来に対する働きかけをおこなっていなければ、苦境に陥る。個性を失いリーダーシップを失う。残るものといえば、大企業に特有の膨大な間接費だけである。”
(“チェンジ・リーダーの条件”Peter F.Druckerより)

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$        編    集    後   記
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 ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
 エリヤフ ゴールドラット (著), 三本木 亮 (翻訳)

 「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」という理由で、日本での出版を拒否し続けていました。

 機械メーカーの工場長である主人公のアレックス・ロゴを中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説です。

 長引く経営の悪化、工場閉鎖までたった3か月の猶予期間、多忙な日々のなかないがしろにしてきた妻との離婚の危機…。アレックスは、あまりの危機的状況にすっかり意気消沈していた。

 その前に、モデルは著者と目される恩師、ジョナが現れ、彼にアドバイスを与えます。工場を救うために業務改善に挑む登場人物の苦悩や目標達成の興奮が伝わってきて、ビジネスの醍醐味を感じさせます。

 会計情報の正しい見方や落とし穴、「効率化」の陰に隠された諸問題を浮き彫りにし、魅力的なストーリーの中に複雑な業務改善のノウハウがわかりやすい形で盛り込まれており、ビジネスパーソンやマネジャー必読の内容です。

 また本書は、問題解決にあたってはゴールを共有し、信念を貫くことが重要であること、数字の陰に隠された実態を見抜くことの重要性、情報共有化の意義など、経営において重要な示唆も与えてくれます。

 たった一つの「ボトルネック」を中心に考えることで、生産管理、管理会計、プロジェクト管理、思考プロセス等多様な分野の管理手法が変わり、いままでの管理手法にパラダイムシフトを迫ります。

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 では、また、次回お会いしましょう!!

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※記事参照元:日経情報ストラテジー2004年8月号
 コンテンツの著作権は発行人Ken Ishiyamaに属します。

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 発行者 Ken Ishiyama
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