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■ ヒントと知恵!!
■ ----------- 企業の経営と人事の戦略と戦術
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■ 2011/12/25 第40号
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ポジティブ・アクション
これまで、男女の役割分担意識や過去の経緯から、営業職に女性はほとんどいないとか、課長以上の管理職は男性が大半を占めているなどということが多かったと思います。
社内制度には男女差別的な取扱いはないのに、女性の管理職が増えないとか、女性の職域が広がらないなどの問題があるようです。
このような課題を解決し、男女労働者の間に生じている差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組をポジティブ・アクションと言っています。
ポジティブ・アクションの具体的な取組には、女性のみを対象とするまたは女性を有利に取り扱う取組と男女両方を対象とする取組があります。
このような、女性のみまたは女性優遇の取組は、均等法第8条において、過去の女性労働者に対する取扱いなどが原因で生じている、男女間の事実上の格差解消目的で行う場合は法に違反しないと明記されています。
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$ ポジティブ・アクションの進め方
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ポジティブ・アクションにどのように取り組んだらよいかは、企業の実態によってそれぞれ異なります。
具体的には、次のような流れに沿って実施していくことが効果的です。
・経営者
現在の厳しい経営環境の中で、人材の有効活用という観点から、能力と意欲のある女性に一層の積極的な活躍の機会を作り出すことが重要な戦略の一つです。
企業理念の実現のために、女性の活躍が不可欠なことを経営者が会社の内外に公言することが効果的です。
そして、具体的なわかりやすい目標を定めることが大切で、定めた目標や達成状況を内外に公表し、企業姿勢を明確にすることは将来的に意欲と能力のある人材の確保にもつながります。
取り組みに対する経営者の本気度が、目に見えるかたちとなることが大切です。
・推進担当者
最初の活動は、社内での意見の対立、食い違いをはっきりさせ、ポジティブ・アクションを進めていく上での問題点を明らかすることです。
効果的に実施するためには、実態を踏まえた具体的な目標、可能なものについては数値化した目標を立て、いつまでに達成するかという期限を決めることが大切です。
その際、採用状況、離職状況、育児・介護休業の取得状況、管理職への登用状況、従業員満足度などを分析することが重要です。
実施する際には、多様な活躍する女性のモデルを社内に具体的に示すことが効果的です。
そして、達成状況をチェックし、場合によっては新たな目標を設定するなど活動を継続していくことになります。
・人事担当者
まず、社内公募制など、能力と意欲のある女性が手を挙げやすくなるような環境をつくることが大切です。
そして、女性がその能力や成果に応じて処遇されるためには、評価が適切に行われなければなりません。
人事考課基準を明確にするとともに、考課者教育の実施を通じて、評価システムの適正な運用を徹底させることは男女にかかわりなく社員の育成にとって重要です。
家族手当や配偶者手当などの制度が、個々の働く能力とは関係なく事実上男性を優遇する制度、運用となっている場合には見直すことも必要です。
育児休業制度等の充実を図る、男女ともより取得しやすい職場となるように工夫するなど、性別に関わらず多様な働き方ができる環境づくりも検討します。
女性の声に耳を澄ますため、できるだけ現場に足を運ぶことが社員のニーズを正確に細かく把握する近道です。
・職場上司
能力と意欲のある女性に権限と責任を与え、小さな成功体験の機会を作っていくことが大切です。
男性上司は、知らず知らずのうちに男性中心の考え方や行動になっていないかチェックが必要です。
女性上司は、女性社員の不安を解消するため積極的に話を聞き、自分の経験やノウハウを伝えていきます。
職場の男性から不満が生まれやすいので、企業理念の実現には女性の活躍の機会を広げることの必要性を良く説明します。
男女ともに育児休業を取得しやすい職場の雰囲気づくりに努め、育児休業を終えて職場に戻ってきたときの迎え方の配慮が大切です。
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$ ポジティブ・アクションの効果
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ポジティブ・アクションは、女性を保護し優遇することだけを目的とした取組ではなく、能力と意欲のある女性が主体的に働く機会を拡大するための取組です。
女性は、働けるときにしっかり働くといった意識を持ち、それを行動に示していくことになります。
ポジティブ・アクションの実施によって、性差なく働くことができる環境が整備されることは、能力と意欲のある男性にとっても最終的には望ましいものです。
女性にとって働きがいがあり働きやすい職場になることは、長期的には、男性にとっても働きやすい職場になるということだからです。
・将来の管理職候補となるよう、今まで採用のなかった大卒女性を積極的に採用した事例があります。
活躍する状況を会社ホームページで積極的に紹介し、男女を問わず意欲的な学生からの応募が増加したそうです。
・男性ばかりの卸売市場で働くせり人に女性を採用した事例があります。
男性社員も刺激を受け、お互いが切磋琢磨することで、売上増加に結びついたそうです。
・管理職への登用制度を見直し、人事考査基準や昇進・昇格基準を明確化して労働者全員に周知し、男女の差別なく各種研修や教育訓練への参加、昇進昇格試験へのチャレンジを奨励した事例があります。
能力次第で男女にかかわらず昇進するようになり、社員全体の意識向上につながったそうです。
・出産を機に退職する女性が多かったため、配偶者の転勤にあわせてグループ会社の職場を視野に含めた異動への配慮を行った事例があります。
就業継続する女性が増加し管理職となる女性が増加したことにより、女性社員のやる気が向上し、職場が活性化したそうです。
・また、企業にも様々なメリットがあります。
多様な人材による新しい価値の創造
幅広い高い質の高い労働力の確保
外部からの企業へのイメージ向上
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では、また、次回お会いしましょう!!
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