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■         2013/8/28       第44号

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 2013年5月にマイナンバー制度の関連法が国会で成立し、2016年(平成28年)1月から番号の利用が開始される運びとなりました。

 開始時期に備え、個人番号が記載された紙の個人番号カードが送付される予定です。

 昨年の国会では廃案になってしまいましたが、自民党政権になって成立をみたものです。

 マイナンバーとは、国民一人に一つずつ付けられる番号であり、この番号はカードに記載され、私の番号はこれこれですと告知して使うような番号です。

 社会保障、税、災害対策という分野に導入されますが、行政だけではなく、民間でも使われます。

 国民個々に重複しない番号を付与し、それぞれの個人情報をこれに帰属させることで国民全体の個人情報管理の効率化を図ろうとするものです。

 氏名、登録出生地、住所、性別、生年月日を中心的な情報とし、その他の管理対象となる個人情報としては、社会保障制度納付、納税、各種免許、犯罪前科、金融口座、親族関係などがあげられています。

 多くの情報を本制度によって管理すれば行政遂行コストが下がり、国民にとっても自己の情報を確認や訂正がしやすいメリットがあります。

 一方、国民の基本的人権が制限されたり、行政機関による違法な監視、官僚の窃用や、不法に情報を入手した者による情報流出の可能性があること、公平の名のもとに国民の資産を把握し膨れ上がった政府債務の解消のために預金封鎖を容易にすることを懸念する意見があります。

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$      マイナンバー制度の検討経緯と制度目的
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◆検討の経緯

 2009年12月 「平成22年税制改正大綱」で、番号制度の導入について言及。

 2011年6月 政府・与党社会保障改革検討本部で、「社会保障・税番号大綱」を決定。

 2012年11月16日 衆議院解散。番号関連3法案が廃案。

 2013年5月24日 成立。

 2012年2月14日 番号関連3法案を閣議決定、国会に提出。

 ・行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案
 ・行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 ・地方公共団体情報システム機構法案

 2013年3月1日 番号関連4法案*を閣議決定、国会に提出。

 ・行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案
 ・行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 ・地方公共団体情報システム機構法案
 ・内閣法等の一部を改正する法律案(政府CIO 法案)

◆制度の目的

 マイナンバー法3条によれば、

「国民の利便性の向上及び行政運営の効率化に資する」

ことが、マイナンバー利用のいちばんの目的です。

 マインナンバーとは、国民への効果と行政への効果という2つの側面を担っているわけです。

◆利便性向上

 役所は国民から一度提出された情報について、繰り返し同じ内容の情報を提供させないこと、とされています。

 マイナンバー制度導入後は、役所の窓口で手続きをする際に、何度も名前や住所を書かせたり、納税証明書等を添付書類として持って来させたりしてはならないこととなっています。

 社会保障・税の一体改革を推進するために導入されるものですので、「社会保障制度、税制その他の行政分野における給付と負担の適切な関係の維持」に役立たな
くてはなりません。

 役所ではマイナンバーを使って社会保障費の重複申請がなされていないか等を、容易に発見できるようになります。

 ずる賢いことができないようにして、社会保障費や税金を正しく払っている人だけが損をしないようにするとともに、不要な経費を削減します。

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$      マイナンバー制度の企業に与える影響
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◆マイナンバー法

 マイナンバー法には、

・国民にマイナンバーを要求してよい機関(国の行政機関や地方公共団体、日本年金機構、医療保険者など)、

・マイナンバーを使って情報管理をすることができる手続き、

・マイナンバーを使って他の機関にその人の情報を問い合わせてよい機関や問い合わせてよい内容

などが明記されています。

 違反した場合の罰則など、マイナンバーの運用に関する事項も記載されています。

 マイナンバーを含む個人情報(これを、「特定個人情報」という)を第三者に不正に提供した場合、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその両方が科せられます。

◆企業に与える影響

 マイナンバー制度が導入されると、原則として社会保障と税の手続きに提出する調書類にはマイナンバーを記載することとなります。

 マイナンバー法9条3項では、例えば

・社会保険の得喪届や標準月額および賞与額の届出、

・給与支払報告書や源泉徴収票

に、本人のマイナンバーを記載することが義務付けられることになっています。

 また、法定調書の中には、法人番号を記載する必要があるものもあります。

・健康保険法48条

 被保険者の資格の取得および喪失ならびに報酬月額および賞与額に関する事項

・厚生年金保険法27条

 被保険者の資格の取得および喪失ならびに報酬月額および賞与額に関する事項

・雇用保険法7条

 被保険者の資格の取得および喪失

・所得税法225条

 利子所得、配当所得に関する支払調書、報酬、料金、契約金、利息等に関する支払調書、損害保険・生命保険の保険金の給付に関する支払調書、不動産等の譲渡対価・貸付斡旋手数料の支払調書 など

・所得税法226条

 源泉徴収票

・国外送金等調書法4条1項

 国外送金等調書

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 マイナンバー法では、「法人番号」というもう1つの番号についても規定されています。

 法人番号は、国税庁長官が法人等を対象に付番し、通知することになっています。

 マイナンバー(個人番号)との大きな違いとして、法人番号は原則公開することになっており、民間でも利用することができるという点が挙げられます。

 法人番号の活用範囲や活用方法についてはまだ詳細が公表されていませんので、今後発出されることとなる通知や通達等に気を付けておく必要があります。

 企業にとっては面倒ばかり増えて、メリットはないように感じられるかもしれません。

 マイナンバー法の附則には、施行後3年以内にマイナンバーの利用範囲を民間にも拡大する方向で見直すことが明記されています。

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 では、また、次回お会いしましょう!!

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