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経営が苦しいtきの賃金制度コーナー


経営が苦しいtきの賃金制度
 










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1 経営が苦しいとき

 経営が苦しいときは、いろいろな方策が求められます。

1.1 売上が上がらない。

 顧客・受注の増加の努力はやはり中心的な課題。商品・製品・販促の見直しと改善が必要では。

1.2 利益が出ない
 出ずるを制するため、エネルギーコスト、オペレーションコスト、オフィスコストの削減が必要です。

1.3 借入金で自転車操業する
 資金ショートを起こさないための必要悪ですが、危険信号です。

2 経営革新が必要

 社員の働きがいのある職場作りで、やる気がみなぎり、会社をよくするため、そして自分自身を人間的にも技術的にも大きく成長させるため、明るく楽しい職場、また苦しいときには皆で助け合って窮地を脱出してゆく、チームワークの良い職場作りがいっそう必要になります。

2.1 新規事業や新商品開発
 目立ち易く派手だが、リスクが大きく、資金面でキャッシュフローをマイナスにするもの。

2.2 組織革新、人事改革、従業員処遇改革、業務革新など
 地味だが着実で、リスクが小さく、資金面でキャッシュフローをマイナスにしないもの。

2.2.1  選択と集中

2.2.2 合併・統合・分離

2.2.3 系列破壊

2.2.4 不採算事業撤退

2.2.5 資産売却・圧縮

2.2.6 組織改革

2.2.7 人事改革
 賃金制度については、年功を基準とした年功序列型賃金制度から、成果を基準とした成果型賃金制度への移行の動きが見られます。
@職務分析
A人事考課(評価)
B複線型人事制度
  技術・技能の高度化、年功的人事制度の払拭、仕事の専門化、実務能力と管理能力の違い等に対応する複線型(コース別)の導入
C賃金制度
 人事考課(評価制度)の構築・連動と、人件費の配分の最大限有効活用

2.2.8 従業員処遇改革

 大企業では年俸制、裁量労働制、管理職定年、退職金前払い、早期退職制などが行われてきています。

 中小企業でも、企業も個人も自助努力が求められ、適合しないものは排除されていく考え方が現実に起きつつあります。中小企業だけがこの論理の外で生きることは許されません。

2.2.9 IT利用の業務改革
 工場の生産性の向上には大いに効果がありますが、オフィスの生産性の向上には大きな効果はないかもしれません。

3 賃金制度の改革

3.1 雇用形態

 雇用形態にはいろいろなものがあります。

正社員:雇用期間を定めていない契約です。

契約社員:6ヶ月契約・1年契約など一定の期間契約での勤務を前提とする雇用形  態です。

派遣社員:働き手が、求人企業ではなく派遣元企業と雇用契約を結び、派遣先企業 の指揮命令に従って仕事を行う雇用形態です。いま多くの企業で取り入れられて いる雇用形態で、出社日や勤務時間などの勤務形態は派遣先によって異なりま  す。

パートタイム:短時間労働者としての契約です。その企業の通常の所定労働時間よ りも短い時間勤務する条件での雇用になります。

アルバイト:1ヶ月・3ヶ月などと期間を定めて雇用される臨時雇用です。

業務委託:雇用契約ではなく、独立事業者として業務を請け負う形態です。

インターンシップ:学生が一定期間、企業の中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度のことです。

3.2 給与形態

固定給制:定期的に決まった額が支給される給与制度で、ある時間単位(時間・日・ 月)などに対して、決まった額が支給されます。

能率給制:固定給に売上高や販売数量などに比例して支給される業績手当を加算 して支給する制度です。

日給月給制:毎月の支給額が一定である制度で、欠勤すると一定の割合で給与が 減額されます。

完全歩合給制・完全出来高制:固定給は一切なく、業績で変動する手当のみで支  給する制度です。

保障給制(保証給制):保障給制(保証給制)とは、「固定給+歩合給」の給与システムですが、歩合給を含む月々の合計金額が保障給として提示された額に満たない場合に、保障給金額が支給される制度です。保険外務員などに良くみられる給与体系です。

年俸制:雇用契約時に従業員に支給する賃金の基本部分を、1年間まとめて提示する制度です。

3.3 賃金制度

3.3.1

“賃金の決め方”(2005年6月 ミネルヴァ書房刊 遠藤 公嗣著)より

T.1990年までに形成された制度:

(1)職務基準賃金: 職務の価値給と職務の成果給
              成果主義賃金はこちら

a.職務の価値給:

・時間単位給: 使用者の一方的な決定、または習慣的な決定。パートタイマー、アルバイト、派遣社員の時給、日給プロ野球選手の年俸など

・労働協約賃金:  使用者と労働組合の団体交渉で決定

・範囲レート職務給:職務分析でグレードを設定し人事査定制度で個々に決定

・単一レート職務給:職務分析で単一ないし単一に近い賃金率を設定して決定

 なお、同一労働価値同一賃金原則には、女性職務の価値を低くするバイアス   があるという見解がある。

b.職務の成果給:

・個人歩合給・個人出来高給:個人としての成果を測定する。 いまは事例が少ない。歩合自動車セールス、歩合不動産仲介員、歩合タクシー運転手など

・集団能率給:集団としての成果を測定する。 いまではほとんどない。かつての生産報奨金など。

・時間割増給:標準作業時間以内に作業したとき節約時間を割増する。欧米の工場ではまだ事例が少なくない。

(2)属性基準賃金: 年功給・職能給など

a.無査定の年功給:当初、年齢のみを属性としたが、その後、勤続年数が中心になった。ほかに、学歴、性別、出身国を加えることもあった。

b.査定付き年功給:年功給に、人事査定制度を付加した。人事査定は、性格的特徴が中心だった。

c.職能給:1970頃〜1990始まで、民間企業でもっとも普及した。歴史的には、査定付き年功給が先行し、単一レート職務給の変容として形成された。職務遂行能力は、潜在的な能力である。評価要素は、情意、成績、能力である。

 参考:“日本の労働統計”の分類

 a.属人給:

 b.仕事給:職能給、職務給を含む(上記の分類からは批判あり。)

U.1990年代以降の新傾向

(1)アメリカ:

a.変動給:職務の成果給の広汎な適用により、部門や個人に一時金として支払う。ボーナス(日本のボーナスとは相当異なる)、利潤分配、利益分配、報奨金、株式付与(ストックオプションなど)など

b.コンピテンス基準賃金:人に支払え職務に支払うな(日本の職務給のアレンジか)。範囲レート職務給を否定し職務グレイドの数を減らし(ブロード・バンディングという)、個人のコンピテンシー(行動、属性、態度)に対して支払う。

c.技能給−直接生産労働者:コンピテンス基準賃金の生産労働者版。コンピテンス基準賃金より普及したが、持続安定的でない。賃金制度というより技能訓練プログラムの色彩あり。

(2)日本:

a.年俸給:従来の職能給=月給制を否定し、職務給=年俸制とした。ただし、月給の年払いにすぎないという企業もある。
・職務の価値給に近いもので、コンピテンス基準賃金の模倣。コンピテンシーには、一般的性格的特徴と知識・技能の2極あるが、日本では後者の意。
・職務の成果給に近いもので、目標管理制度や自己申告制度の成果達成を査定者と協議する形。

b.成果主義改革:  既存の属性基準賃金の改革。
・定期昇給の停止・廃止
・人事査定の成績、能力へ相対的比重の変更(情意を下位へまたは廃止)。
・扶養家族手当や住宅手当など生活関連手当の廃止。
・ストックオプションの模倣。

c.無査定の年功給から職能給へ: 従来、形式上職務給、実質は無査定年功給だった公務員の職能給への改革。人事査定制度の導入。

d.時間単位給:非正社員の急速な量的拡大による。パートタイマー、アルバイト、派遣、嘱託、契約社員など

3.3.2

(1)賃金体系:最低限の生活保障が必要。

  所定内賃金

   基本給

    本給

    加給・減給

    昇給・降給

   諸手当
 
  所定外賃金

  特別給与

   賞与

  退職一時金・年金

(2)資格等級制度

 昇進昇格

  上位等級初号到達年齢(オールAモデルで)

  在等級年数

  昇格基準

 役職制度

3.4 人事評価

 自己申告制度

 目標管理制度

 組織評価

 人的評価

  情意評価
  能力評価
  業績評価(実績評価)

4 賃金改革

4.1 基本

 どういった状態を目標達成と評価するのかを設定していきます。具体的な目標設定も不可欠となります。

・部門別業績評価
・社員の業績評価
・昇進昇格・降職降格制度

 目標達成による収益向上を踏まえ、それを報酬にどのように反映していくかを設定してきます。

・業績に連動させる適正な人件費計画
・実力別月例給与制度
・貢献度別賞与制度
・確定拠出型退職金制度

4.2 「強い会社を作る賃金の決め方」(弥富 拓海/1996/1/25 産能大学出版部)より

4.2.1 

・好景気時のご都合主義は限りなく情緒的

 ●給料はヨソの一割増しを出すことにしている。
 ●給料は彼らの「和」を考えて同年同期であまり差をつけていない。
 ●期待する社員は昇進させて給料をあげてやる。
 ●凡庸な社員も少し遅れて昇格昇給させれば、それを励みに頑張ってくれるだろう。
●中途採用も多い。しかし、昔から苦労してきた社員ががっかりしないように、同年齢の中途採用者の給料は入掛にして人情味を出している。

・不況時のご都合主義は、にわか仕立ての合理主義

 ●歩合給、能率給で働きの悪い人の給料をさげる。
 ●定期昇給で自動的に賃金が上がる仕組みはおかしい。
 ●役職定年、降格ルールを設ける。
 ●管理職は年俸制にすべきだ。
 ●早期退職優遇制度で中高年社員を減らしたい。

・実際の改善方法にはその場しのぎの「対症治療」と痛みを伴う「根治療法」があることを忘れてはならない。

4.2.2

 賃金がワークペイ(ノーワークノーペイ)を原則とした、労働に対する後払いの報酬であると法律が定めている以上、雇用形態、支払い形態の如何を問わず賃金はすべて能力主義だといえる。それ故に、賃金破壊が叫ばれる混沌とした状況の中では、都合のよい能力主義の主張はいろいろ出てくる。たとえば、
 ●成果重視、日々の出来高、出来栄えを重視して決めるべきだ。
 ●貢献度、実績で評価すべきだ。
 ●仕事の能率、プロセスを重視すべきだ。
 ●結果はともかく積極的にチャレンジする意欲を評価すべきだ。
 ●潜在的な資質を重視すべきだ。
 等、いくつも存在する。

 いずれにしても、仕事の成果を判定して、精算報酬を支払い終わるまでの期間をワンサイクルと考えれば、日本の能力主義はその仕事をはじめてから決済日までの期間の長さの違いから四つあると考えることができる。それは、
 @コース別長距離勝負型能力主義(終身雇用が約束された能力主義)

 A景気循環対応型能力主義(終身雇用をたてまえとする能力主義)

 B短距離勝負型の能力主義(日々の成果を評価する能力主義)

 C賃金人事制度は「仕事」を中心にすえて、従業員の仕事ぶりを年ごとに正しく精算しながら、適性のある人材をタイムリーに登用していく中距離勝負の能力(実力)主義が主流となる。企業が人に期待し、要求する能力は、技術革新・情報化・ソフト化・市場のニーズの変化を反映させながら日々変化している。もちろん、人の能力だって時々刻々変化する。だとすれば、人の能力を云々と値踏みする前に、企業の中にある仕事を「職種」と「責任の重さ・難しさ」のレベルで確認し、職制・職務を基準にすえて等級制度を構築しなければならない。

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