財務・・・
財務分野不足資金の調達や、余剰資金の運用が中心で、相互に関連する、短期金融市場・資本市場、投資、財務管理などがポイントです。
短期金融市場は、期間1年未満の資金を融通する市場です。金融市場とは、金融機関を主な取引参加者としてお金の貸し借りを行う場です。市場は、物理的な場所がなくても、取引情報が一箇所に集められるところに構築されます。現在の金融市場は、電話回線で繋がった取引ネットワークのことを指します。
短期金融市場は、取引参加者が金融機関に限定されるインターバンク市場と、一般の事業法人が自由に参加できるオープン市場に分けられます。インターバンク市場には、コール市場、手形売買市場、東京ドル・コール市場があります。コール市場は、金融機関のごく短期の資金(原則として1ヶ月未満)の貸借を行う市場です。手形売買市場は、短期資金(翌日物から1年物)を融通する貸借市場です。東京ドル・コール市場は、外国為替公認銀行間で短期の外貨資金貸借取引を行う場です。なお、1年以上の資金を融通する市場を、長期金融市場といいます。
資本市場は、国、自治体、企業などが必要な資金を調達する市場で、発行する証券によって、国債市場、地方債市場、株式市場、社債市場、投資信託・貸付信託の受益証券市場などがあります。中でも、株式市場が企業にとって重要で、経済のバロメーターとして利用されるています。株式市場には、株式を売買する流通市場と、新規に発行された株式を取り扱う発行市場があります。株式公開は、上場か店頭登録によって行われます。東京、大阪の市場には1部と2部の市場があるほか、新興市場がいくつかあります。
投資は、 利益を得る目的で資金を投下することです。法人から企業への投資、個人から企業の投資が行われます。その際、ポートフォリオをどう構成するかが重要です。ポートフォリオとは、金融機関・機関投資家などが所有する各種の金融資産の一覧表で、安全性や収益性を考えた有利な分散投資の組み合わせを目的としています。ポートフォリオ選択理論では、互いにリターンの相関が低い資産を組合わせて保有することで全体のリスクを低減できる、と言われています。
財務管理は、企業の価値増大を目的とした資産運用と負債・資本調達の総合管理をさします。企業の価値は、資本コスト以上の資本利益率をあげる経営力によって増大します。資本コストは、資金の提供者(銀行や株主)から見れば投資資金の期待利回りのことであり、一方、資金の運用者(企業もしくは経営者)から見れば資金運用における目標利回りの水準を意味します。資本コストは、将来の不確実性を反映させた計量モデルによってリスク測定を行います。計量分析には、割引キャッシュフロー法と資本コストの理解が不可欠です。割引キャッシュフローは、企業が将来生み出すであろうフリーキャッシュフローで割り引いて算出した現在価値のことです。値が大きいほど今後企業が獲得するキャッシュが多いということを意味します。
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